今回はブンデスリーガ・SCパーダーボルン07についてご紹介します。
5年ぶりのブンデスリーガ1部復帰を果たし、現在躍進中の注目クラブです。
目次
SCパーダーボルン07のホームタウンはどんな街?
SCパーダーボルン07のホームタウン・パダーボルンはドイツ西部にある都市です。
周辺の有名都市には、ハノーファーとドルトムントがあり、丁度その中間あたりにパダーボルンは位置しています。
旅本では名前すらほとんど取り上げられることのないような都市ですが、街には大聖堂や教会などが多くあり、歴史的な宗教色の強い街です。
その反面、世界最大のコンピューター博物館があるなど、近代的な雰囲気もあわせ持つ異色の観光スポットが点在する、とてもユニークな街といえます。
そんな都市パダーボルンですが、これからこちらに訪れるという方はほぼ間違いなくサッカー 観戦のためでしょう。
というのもSCパダーボルン07は5年ぶりのブンデスリーガ1部に昇格を果たしたからです。
パダーボルンではなくパーダーボルン!:異色のキャリアを持つ監督の存在
ここからはチームについてご紹介します。
正式名称は SC Paderborn 07 e. V. となり、現地では簡略してSCPと表記されたりします。
チームカラーは青と黒です。
ブンデスリーガの他のチーム紹介記事はこちらから↓
→RBライプツィヒの戦術の秘密、戦術家ラングニックと名監督の存在!
→バイエルンミュンヘン監督は元ドイツ代表コーチ!!完全復帰!
青と白を基調とされているエンブレムは他にもいくつかありますが、ロゴにチーム名もきちんと入っているので分かりやすいですね。
クラブ発足から現在までの歴史ですが、SCパーダーボルン07は、現在の前身となるクラブが1907年に発足しました。
1985年に合併とチームの名称変更を複数回経て、現在にいたります。
当初は、当時3部のレギオナルリーガで戦っていましたが、当時4部のオーバーリーガへ降格した時期があります。
しかし1年で無事3部に復帰をし、2005年には初めて2部リーグへ昇格しました。
その後また2008年にはリーグ順位17位で、新設された現在の3部リーグに降格しています。しかし翌2008/2009シーズンではリーグ順位3位となり、入れ替え戦のすえ2部に復帰しました。
そして当時限られた財政状況であったにも関わらず、2013/2014シーズンにクラブはついに1部へと昇格しました。
その後2014/2015シーズン後半の成績不振により、わずか1年で2部降格となりました。さらに翌シーズンも2部最下位と低迷をし、ついには3部へ降格となりました。
3部降格からのリベンジと言わんばかりの1部への躍進は、とても勢いがありましたが、その反動が出たのか、転げ落ちるように失速してしまいました。
しかし驚くことに2017/2018シーズンでは、大健闘のすえ2位となり2部へ昇格。その翌シーズンにはブンデスリーガ1部へ返り咲きました。
こうやってSCパーダーボルン07のこれまでを見てみると、3部から1部を行ったり来たりしているように感じます。
ブンデスリーガと呼ばれるのは1部〜2部で全国リーグには3部も含みますが、3部と2部のレベルは大きく違います。
そして2部とドイツトップである1部も大きく違います。
それぞれのリーグでそれぞれの難しさと大きなレベルの違いがある中で、躍進をくり返しているチームは珍しく、正直タフだなぁという印象です。
個人的には安定してトップを守り続ける強さというのも魅力的ですが、つまづいたり停滞を乗り越えて成長していくその姿に、なんとなく人間らしさを感じてしまいます。
とはいえ地元ファンは、今シーズンはどうなるかと、いつも気が気でなく、落ち着かないかもしれません。
さて、監督についてふり返ると、
2015/2016シーズンは名門バイエルンのキャプテンとして、01年チャンピオンズリーグ優勝に貢献したシュテファン・エッフェンベルグ (Stefan Effenberg) 監督が就任していました。
しかし上記の通り2015年シーズンの成績不振でシーズン途中に解任され、チームも3部に降格という結果になりました。
2016/2017シーズンの終盤までは、何人か監督変更をしながらチームの立て直しを試みましたが、その年においても残り5節で順位が18位と降格圏内にいました。
そこで最終手段としてチームの残留を託されたのが、現在の監督であるシュテッフェン・バウムガルト(Steffen Baumgart) 監督です。
就任後は残り5試合で3勝2分と最高の成績を残し、3部に残留できました。そして翌年も引き続き監督を任され、2位になりチームを2部に昇格させ、さらにまた翌年2部で2位となり1部リーグに昇格させたのです!
なんという成績でしょうか。3部で残留争いをしていたチームを”2年連続昇格”で1部リーグへ導く、その手腕には驚かされます!!
そのシュテッフェン・バウムガルト監督は現役時代はハンザ・ロストックやヴォルフスブルク、コトブスで活躍し、当時3部に相当したレギオナルリーガから指導者キャリアを積んだそうです。
そしてドイツ人民警察や自動車整備士として過ごしていた異色のキャリアを持っている人物でもあります。
さらになんと奥様は、ウニオン・ベルリンのファンショップの責任者との事で、夫婦ともに1部に昇格し、現地では話題になりました。 (ウニオン・ベルリンはシーズン3位で入れ替え戦の結果、1部に昇格した)
Beste Szene der Pressekonferenz vor #FCBSCP #SCP07 pic.twitter.com/hyovAw7OBZ
— J J L (@ToDareIsToDo04) February 19, 2020
↑こちらはとある試合前の記者会見の映像ですが、監督が発言をした際にアクシデントがありました。
こんな様子には、監督をしている瞬間とのギャップを感じ、ほっこりしてしまいました。
選手には、走る、戦うことを求め、戦術面でも引いて守るのではなく、攻撃的なサッカーを好み、ショートパスを繋ぎながら崩していくスタイルを理想としています。
最終的には実現には至らなかったですが、今シーズン(2019/2020)前には、ライプツィヒとの選手や監督、育成年代のトレーニングの情報交換を目的とした提携話が浮上していました。
RBライプツィヒについてはこちらから→ RBライプツィヒの戦術の秘密、戦術家ラングニックと名監督の存在!
さらには、ライプツィヒはランゲニックSDの後任としてパダーボルンからマルクス・クロッシェSDを引き抜くなど、ドイツ国内でも評価されていることが分かりますね。
パーダーボルン:今季のフォーメーションと激闘バイエルン戦で活躍のスタメン選手
↑こちらは今季最強のバイエルンとの激闘の試合映像です。
Cl予選ラウンドから無敗のバイエルンに対して、かなり頑張ったと言えるのではないでしょうか。
この試合のスタメンとフォーメーションは、4-3-2-1でしたが、今シーズンは4-4-2や4-3-3と、この3つの形で戦っています。
対してFCバイエルンは3バックという新しい形でしたが、スタメンはベストメンバーではないでしょうか。
バイエルン戦でFWをつとめたマンバ選手は負傷により途中交代をしてしまいました。
マンバ選手は攻撃のキーマンであったため、SCパダーボルン07には苦しい状態でしたが、代わりに出場したミヒェル選手が同点ゴールを決めるなど、チームにさらなる勢いを与えるシーンもありました。
強豪バイエルンを相手に87分頃まで引き分けを続けていて、1部に復帰してきたSCパダーボルン07の勢いと、チームの底力を感じました!
パーダーボルン:スタジアムは‘‘ベンテラー・アレーナ‘‘、ドイツ大手のスポンサーとユニフォーム販売
SCパーダーボルン07のホームスタジアム、”ベンテラー・アレーナ”がこちらです。
こちらのベンテラー・アレーナは規模や構造と、名称変更が複数回行われ、現在の形に落ち着きました。
最近のところでは2014年の最初のリーグ昇格の際に、VIP席とプレスエリアが拡張されています。また喫煙席もあり、さらに追加で入り口が建設され、電子式の入場改札が取り入れられました。
さて、SCパーダーボルン07のスポンサーについてです。
オフィシャルサプライアー契約をしている会社の一つにSport-Sallerがあります。
こちらは1972年に設立されたサッカー大国ドイツ生まれのスポーツブランドです。
創立者はサッカー教師・監督であったRichard Saller (リチャード・ザラー)氏で、現在ではドイツ最大のサッカーブランドとなりました。
ザラージャパンとして、日本でも展開されています。
日本国内においては、JリーガーのGKグローブをはじめ、なでしこリーグのGKグローブも提供しているようです。
さて、SCパーダーボルン07とのサプライヤー契約ですが、2012年からと比較的長いお付き合いのようです。またSCパーダーボルン07の他には、2部リーグのSsv John Regensburgのスポンサーもしています。
こちらは2019/2020シーズンのユニフォームです。
ホームユニフォームは青と黒を基調としていて、アウェーユニフォーム も白いデザインでとてもシンプルなユニフォームです。
もちろんこちらもファングッズの一つとして販売されています。
↑こちらはファンショップです。とても充実している感じがありますね。
ですが、当面の間こちらの店舗も含め、ショップは閉鎖しているようです。ただしオンラインショップは健在です。
現在の状況による影響で、郵送のための時間が少しかかるようですが、購入は可能です。
日本への配送には49.95ユーロかかるようなので、お買い物の際にはお気をつけください。
また、お支払いにはクレジットカード(VISA、Mastercard、American Express)が利用可能です。
パーダーボルン:ウイイレにはなぜドイツリーグがないのか? FIFA20でプレイ可能!
最近1部リーグに昇格したこともあり、ウイイレアプリ2020において現在はまだSCパダーボルン07の選手は展開されていません。
元々ウイイレアプリ内にはドイツ・ブンデスリーガのリーグが用意されていないこともあります。
ドイツからはシャルケ04、バイルンミュンヘンなどドイツ不動のトップチームのごく少数が、その他ヨーロッパカテゴリとして搭載されています。
今後ドイツリーグが掲載されるようになれば、もっと楽しめるという方も多いのではないでしょうか。
とはいえドイツ・ブンデスリーガはFIFPRO (国際サッカー選手会) に未加盟であり、そのリーグをあつかえる権利が、ウイイレ側にないことが理由ですので希望は薄いかもしれません。
ドイツ・ブンデスリーガでのその権利を持っているのがEA SPORTSというゲーム会社です。
こちらがサッカーゲームのFIFA20を管理しているメーカーなので、どうしてもドイツリーグをプレーしたかったらFIFA20を、というのが現状です。
ただ個人的にウイイレは、グラフィックや操作性など多岐にわたり、他に類をみないクオリティでゲームを提供しています。
リーグやクラブの権利をEA SPORTS社同様にウイイレが得られたら、もっと楽しいのにと夢が広がります。
パーダーボルン:公式ホームページ・インスタ・ツイッターはこちら
SCパーダーボルン07の公式ホームページもご紹介しておきます。
https://www.scp07.de/
PCサイトではサイト右上にあるアイコンから、Facebook・ツイッター・インスタグラム・YouTubeの各公式サイトへ飛べます。
スマートフォンからはサイト右上のメニューをタップすると、下部に各アイコンが表示されてアプリに飛べます。
ただ、公式YouTubeでは、プレー集などが配信されているわけではなく、多くは試合後の記者会見がアップされています。
最近では試合もないためか、選手のインタビュー映像なんかも上がっているようですが、印象としては結構マニアックな動画がアップされているなという感じです。
公式サイトはそれぞれドイツ語表記になっていますが、気になる方はぜひチェックしてみてください。
パーダーボルン:日本人はいる?日本人選手の移籍の可能性は?
SCパーダーボルン07では現在、日本人選手およびアジア人選手は所属していません。
2019年シーズンにおいて、ハンブルガーSVに酒井高徳選手がまだ在籍していた頃、酒井選手の移籍の可能性があると一部では報じられていました。
実際にはそれは実現されず酒井選手は帰国することとなりましたが、もしSCパーダーボルンが獲得に前向きであったら、酒井選手はまだドイツでプレーを続けていたのでしょうか。
以上、ドイツ・ブンデスリーガをかけめぐっているSCパーダーボルン07についてご紹介しました。1日でも早いブンデスリーガ再開を願っています!!
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